陶器の墓場
2012年 04月 06日
職人の手や機械を経て成形され、炎と熱によって
器であったり、作品としての命を与えられた「やきもの」。
その全てが誰かの手に渡り、大切にされるわけではなく、
産業廃棄物として処分されるやきものも少なからず有ります。
うちの工房から出たペケの器や粘土くずを廃棄する為に、組合の産廃へやって来ました。
デッドストックでしょうか、キズの有るものはともかく、完品の商品らしき物も堆く積み上げられています。
一年の季節で巡る商品なら来年まで置いておけるのでしょうが、
その年だけの商品は在庫にしても次が無い、もしくは10年以上先である為に廃棄されるのでしょう。
粘土を採掘した後の廃鉱が処分場となっていますが、
やきものの瓦礫が山となって埋め尽くしていきます。
先日うちの下から出てきた「ものはら」も、400年前の産廃でした。
自分が瀬戸の歴史、やきものの歴史の上に立っているのだと実感した、あの「ものはら」。
そして今、立っている処分場も、紛れもない、現在進行形の瀬戸の歴史です。
私の手が作り出した産廃が、”歴史”を少し積み上げます。
足元の粘土くずが雨でぬかるみ、足取りを重くさせます。
靴底に付いているのは、ちょっと前まで”縁起物”だった商品たちの破片。
大きめの破片で靴底をこしげ、トラックへ乗り込みました。
by teppeiterada
| 2012-04-06 14:29
| つれづれ日記