「モロコゾ」とは瀬戸の古い方言で、陶芸の工場(モロ)の小僧さんを指します。やきものに携わる日々をマイペースに更新していきます。


by teppeiterada
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織部の渋抜き

陶房スタッフは窯出し以来、作品の仕分け、撚り土(道具土)のグラインダーがけ、
そして織部の渋抜きなどに追われています。

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銅を原料に使う織部釉には、
焼成後の冷却時に「酸化皮膜」という曇った膜のようなものがあらわれます。

これを昔から赤津では、
どんぐりのカサを水に浸してつくった「トチシブ」に器を漬け込む事によって膜をとり、
スッキリとした織部の色合いを出してきました。
この作業を「織部の渋抜き」と言います。

またこの作業によって、釉薬に貫入のある透明釉や生地に渋が入り込んで、
古びた味のある表情が得られます。



希塩酸を水や湯に混ぜたものでも酸化皮膜を脱がす事ができます。
美山陶房では、器や釉薬、土の種類によって、渋抜きと塩酸を使い分けます。

今回の窯から出た器はほとんどが塩酸で洗われました。




ちなみに、焼成後の冷ましがゆっくりになるにつれて酸化皮膜は強くなります。
これを織部が「カブル」と言って、大きな薪の窯だと非常にカブりやすくなります。

こうなるとなかなか酸化皮膜は脱げません。
通常15分~20分程度で脱げるように塩酸の濃さを調節するのですが、
カブッた織部は一時間二時間、ひどいと一日かけても脱げない事があります。

今回はなんとか30分から一時間程度で脱がす事が出来ました。
まぁ、結構塩酸を濃い目にしたのですけどね。



それから塩酸やトチシブに漬け過ぎると、
織部が白く粉をふいた様に変色してしまいます。
これは濃い塩酸に漬けるとなりやすいので注意が必要です。

チンチンに沸いた湯に塩酸を溶かすと織部の反応が良いので
塩酸の濃度を抑える事ができます。
赤津の窯元はお湯を使ってるところが多い、
と思います(タブン)。
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by teppeiterada | 2007-03-16 23:27 | つれづれ日記