「モロコゾ」とは瀬戸の古い方言で、陶芸の工場(モロ)の小僧さんを指します。やきものに携わる日々をマイペースに更新していきます。


by teppeiterada
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カテゴリ:ウズベキスタン陶芸交流記( 4 )

2006年7月19日

ウズベキスタン行きが決まって以来、彼の地とのメールのやり取りが始まりました。
私のvisa発給に当たり、ユネスコ・タシケント・オフィスのムハィヨさんの指示に従い
必要事項を英訳の上、連絡。
向こうからまた詳細を尋ねてくるというやりとりが続きます。

何せシンポジウム自体は8月7日~12日。
楽焼の紹介を頼まれている私としては最低一週間は窯作りとテストに欲しい。
逆算すると7月30日に現地入りくらいの日程で最低限出来るだろう。

とにかく出発までに時間が無い。



うちの工場の仕事のスケジュールはなんとかなりそう。
航空券は向こうで用立ててもらったとしても、すぐに届くか心配だった為、
こちらで立て替え購入のうえ、後でユネスコに代金を払ってもらう事にしました。
7月31日から8月15日の渡航予定としてチケットの手配をはじめる。

前年、新婚旅行に、マレーシア航空で往復の航空券だけ買って、
後は現地でスケジュールを決めていくという旅をしたのだが、
名古屋発、行きはイスタンブール、帰りはローマからというクアラルンプール経由のチケットで
57000円でした。
燃料サーチャージ等含めても62000円くらいだったかな?
とっても安くて快適なフライトでした。


そんな記憶のもとにマレーシア航空での手配を試みるもあえなく失敗。
とっくに往路も復路も満席でした。

アエロフロート・ロシア航空ならチケットを確保できたのですが、
知人に「モスクワの空港は今、世界一治安が悪い!」などと脅され、
ビビってしまいスルー。

旅行会社さんになんとかタシケントへ、ロシア航空以外での渡航を探してもらう。
だって「本当に怖い」と脅かされたんですもん。



e0115282_9465015.jpg

アリシェルは7月6日以降ヒバ、ブハラ、サマルカンドへと出る用事があり、
連絡が途絶えていたが、この日ようやくメールが帰って来た。

楽焼の窯を作るにあたり、原料は有るのか、燃料はどんなものがあるのか、
そういった質問を送っていた回答だった。


まず、レンガは"硬いもの"と"ソフトなもの"の二種類があり、問題ないとの事。
これは陶芸をやる人ならすぐピンと来ると思うのだけど、
日本で言う「耐火煉瓦」と「イソライト」みたいなもんだろう。
「イソライト」タイプが有るなら楽勝だ。

次にレンガの間に入るモルタルの原料。
父の窯作りでは耐火モルタルに珪砂を混ぜて、やや厚めに使っている。
現地では耐火モルタルは期待していないので
粘土を乾燥させて粉にしたもので代用する事にする。
珪砂についてはそのものずばり「シリカ・サンド」、つまり石英の砂が有るという。
これならイケそうだ。

釉薬の原料になる鉱物類も問題無さそう。
それに「フリット」が有るという。
これは凄く有りがたい。
何故なら「フリット」とは1000度程度で融ける"ガラス粉"であり、
この原料さえ手に入れば、鉛や錫なんかを使って釉薬の融点を下げなくても
楽焼の釉薬が作れるのだ。



カナダ、イギリスと、父の築窯、焼成を手伝ってきた経験から
事前の情報収集がスムーズに出来た。

粘土も「陶土」があり、燃料となる炭もあるという。
なんだ、なんでも揃ってる。

ひょっとして楽勝!?




そんなワケ無いのですが、

・・・問題が噴出しまくるのは現地でギリギリになってからなのです。








以下は、のちに見せていただいた現地のフリット製造工程。
e0115282_1064834.jpg

↑長石。
粉砕し、灰と混ぜて窯の一番温度の高くなるところで溶かします。

e0115282_107165.jpg

奥にある、深い、黒に近い緑色の物体が融けた原料。
灰と長石が溶けてガラスの塊になっています。
これを画面中央にある窪んでいる辺りで、置いてある丸い石で叩いて細かくします。

e0115282_1073974.jpg

叩いて細かくされたガラス。

e0115282_1082073.jpg

↑石臼で挽く事で粉にします。

e0115282_1083793.jpg

ガラスの粉、フリット完成。
手作業なのです。
頭が下がる・・・。
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by teppeiterada | 2008-10-06 09:08 | ウズベキスタン陶芸交流記
2006年7月5日

ウズベキスタンと聞いて、まず思い出したのはサッカーのW杯アジア予選。
それから「~スタン」といったらやっぱり「アフガニスタン」。

地図で調べてみました。
やっぱりアフガニスタンと隣接してます…。
「タリバン」とか「テロリスト」とかいう言葉が浮かんでしまいました。

怖いカモ・・・。



日本のテレビなどで放映される海外の情報はどれもアメリカ中心で、
視点の立ち位置もそれに準じています。

恥ずかしい話、ウズベキスタンについての知識が皆無であった私には、
旧ソビエト連邦の砂漠の国、シルクロード、
そしてなんとなくテロリストとか居て危険そうなイメージしか有りませんでした。

e0115282_051206.jpg





メールによれば、ユネスコの主導のもとに催されるシンポジウムへの参加要請であり、
その際に楽窯での焼成の紹介と、日本陶芸のスライドプレゼンテーションして欲しいとの事。

渡航と滞在の費用はユネスコが負担してくれるとも書いてある。
シンポジウムのウズベキスタン側の責任者、アクバル・ラヒモフさんの事は父も良く知っていて
立派な陶芸家であり、人物も素晴らしいと言っていたし、間違いは無いはずだ。

こんな機会でもなければ訪れる予定も無かった。
しかし、こんな機会はもう無いだろう。

行ってみたい。行って、知らない国の知らない陶芸に触れてみたい。
まぁ結局、好奇心が不安に勝ったワケでして。



しかし父に相談してみると「馬鹿な事いうな」との反応でした。

それもそうだ。
父の2ヶ月近くに渡るカナダへの渡航は私が留守をきちんと預かる予定だからこそ
決定できたのですから。




父にしっかり留守番せいと言われてしまった私は少し気持ちが萎えかけていました。
昨年結婚し、5ヶ月の息子もいる。
やっぱり留守をきちんと守って自分の作品作りをしたほうが良いかなぁ・・・と?

そんな事をモヤモヤと悩んでいると、私の嫁さんが背中を押してくれました。

「留守は大丈夫だよ。またと無い機会だから行っておいでよ。」



正直、本当に嬉しかったです。勇気をもらいました。


決意も新たに、カナダへの出発を明日に控えた父を説得!
2週間だけ、工場を空けさせてもらう事になりました。

「まぁ良い勉強になるかも知れん。しっかりやって来い。」



許可を得た私はウズベキスタンへメールを返信。
父からは無理であるとの返事、そして息子の私が興味を持っている事を連絡。
楽の窯作り等も出来ますよ、とアピール。


すぐに返事が返ってきました。

「あなたが来て下さる事になって大変嬉しい」との事。
「早急にビザの手配をしたいのでパスポートNo.を知りたい。」


うはぁ、展開が速い。
2週間ほどの滞在をユネスコから正式に招待される事になりました!!

やるしかない!やったるぜぃ!!


・・・ちょっと不安だけど。
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by teppeiterada | 2008-09-30 01:37 | ウズベキスタン陶芸交流記

e0115282_20225252.jpg
2006年7月4日。
美山陶房は、二日後に迫った父のカナダ渡航の準備で大忙し。
秋に予定されているロンドンでの個展に向け、
カナダで制作、焼成をしてイギリスへと送る計画なのです。

私は父のワークショップやプレゼンテーション用に、
画像データなどをCDにまとめたり、スライドをスキャンしたりしておりました。


そこへ一通のメールが。

父にウズベキスタンで楽焼の窯を作って欲しいとの依頼でした。
しかも、来月8月に、です。


いやいや、無理無理!
突然にも程があるし、だいたい父はカナダだし。


即、お断りのメールを丁重に入れようかと思ったら、


「もし駄目なら誰か他の方を紹介してください」


という主旨の文の後に、


「maybe your son」






ユア サン って、      私デスカ?










まさに突然降って涌いたウズベキスタンでの楽窯作り。

父が4月にウズベキスタンの陶芸視察に行って来たのは知っていたけど、
まさか自分が交流の当事者になるとは思っても見なかった・・・。


どうも、父が現地を訪れた際、
向こうの陶芸界の実力者アクバル・ラヒモフさんと非常に意気投合したらしい。

父と同い年のアクバルさんには、私と同い年の息子がいる。
(ちなみに私の妹とアクバルさんの娘さんも同い年。)
その、私と同い年の息子さん、アリシェルがメールの主であった。


サービス精神旺盛な父は、話の流れで大変なことを安請け合いしてしまう事が有る。
しかし、それを結構実現してしまうのが父の凄いところで、
カナダやイギリスでの築窯・焼成なんかは本当に大変だったりしたけど成功を収めている。

多分、依頼が来るくらいだから「簡単に作れますよ」的な話をしてきたのだと思う・・・。


楽窯なら構造も難しくないし、自信ある。
代役とはいえ、ご指名頂けるならやってみたい。



でも・・・、
ウズベキスタンって何処だっけ?
楽焼きが出来る原料ってあるの?
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by teppeiterada | 2008-09-21 20:30 | ウズベキスタン陶芸交流記
2006年夏、一通のメールをきっかけにウズベキスタンで陶芸交流をする事になりました。

当時mix○なんかにチョロっと書き綴っていたのですが、
未完結だったし、もう一度日記やメモを元に書き起こしてみたくなりました。

写真なんかもたくさん撮ったのですが、
ここ数日のパソコンの故障で失くしてしまうところでしたし、
ネット上に記録として残しておくのも良いかも、と思いまして。


日本では大変マイナーな国であるウズベキスタン。
私も何処にあるかさえ判りませんでした・・・。
大したPRにはなりませんが、紹介することが、
お世話になった国へのお返しになればと思います。

まぁ不定期に、気長にやる予定ですので
期待した方がいたら先に謝っておきます(笑)。
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by teppeiterada | 2008-09-20 23:42 | ウズベキスタン陶芸交流記